ブルーシートバッグの生い立ち


SUN&RICEはなぜブルーシートバッグを作っているのか、複数のリターン品ともなっているブルーシートバッグの生い立ちについてお話させていただきます。

 

令和元年9月、台風15号の上陸により千葉県南房総はたった一晩で今までに見たこともない、悲惨な景色となりました。

強風によって多くの家の屋根瓦が飛び、職人さんが瓦を作るのも、屋根屋さんが屋根を修理するのも全然間に合わず、とにかく応急処置として屋根にブルーシートを貼るしかありませんでした。ブルーシートを送ってください!という地域の人々の呼びかけによって被災後まもなく、館山には大量のブルーシートが物資として届きました。

ブルーシートには厚さの異なる#1000と#3000があります。

 

・#1000・・・とても薄く、防水加工されておらず破れやすい

・#3000・・・しっかりとした厚みがあり、防水加工が施されている

 

残念ながら大量に届いたのは#1000のブルーシートでした。もちろんこれは屋根に使うことはできず、行き場を失いました。

 

一方#3000のブルーシートも少しずつ屋根から降ろされ、館山市では災害ゴミとしての受け入れもストップ。こちらもまた行き場がなくなりました。南房総にあふれたブルーシートをなんとかできないかと考えていた時に、これでバッグを作るのはどうだろう!と地域の仲間たちから提案をもらったのです。

 

早速行動しました。#1000の薄いブルーシートはカットして熱処理を施すだけで簡単に作れるエコバッグに。これなら障がい者の方でも簡単に作ることができます。現在このエコバッグは館山市、南房総市、勝浦市、東京の7店舗で取り扱ってもらっています。購入してもらえる喜びを感じながら日々製作に取り組んでくれています。

#3000の防水加工されているブルーシートではトートバッグを製作することにしました。これはミシンを使用するので、地域のママたちに声をかけました。

 

ブルーシートでバッグを作りたいのでお手伝いしてくれませんか?と。すると毎週のように私の家には子供を連れたたくさんのママたちが集まって来てくれました。ランチやおやつを持って。これが本当に毎回楽しく、回数を重ねるごとに手際が良くなりみんな勝手に仕事を進めてくれます。ここで初めまして、という方々もいつの間にか仲良くなり、会話が弾み、手が止まってしまうこともしばしばあります(笑) そして子供たちは年齢に関係なく知らない子同士でも庭を走り回り、あっという間に仲良くなり一緒に遊んでいます。そしてママさんたちはこういう場所を提供してくれてありがとう!と言ってくれます。

悲しみの象徴だったブルーシートが地域の方たちの手でバッグになり、そして楽しかったと喜んでもらえるなんて本当にありがたいです。そして今はそのバッグを購入して喜んで使ってくれる方がいます。ゴミにもなれなかったブルーシートが、地域の方の手で見事に再生することができました。

ブルーシートを洗う人、カットする人、ハトメを取り付ける人、ハンドルを縫う人、バッグを縫う人、紐を取り付ける人、梱包する人。バッグを完成させるためにはたくさんの工程があり、たくさんの人々の手によって丁寧にひとつずつ手作りされています。そのためサイズには多少の相違がありますことをご了承ください。

 

また実際に屋根の上に張られていたものもあるため、色があせていたり、少しキズがある場合がございますことをご了承ください。

 

そんなブルーシートの風合いを味わって使っていただけたら幸いです。